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14th January 2003
Levrette, éléphant ou tigre ?

「『O嬢の物語』を読む」のページを整理するため原作を読み直しているうちにふと欲求にとらえられR***をクッションにで腰を高くしてうつぶせにさせる。スパンキングも何もなく最初から最後まで後背位で通す。

後背位は一般にフランス語では en levrette (グレーハウンド・スタイル)だが、その標準的スタイルは4つ足に手をついて腰を高くしてのもので、この手の腰をくの字型に固定してのものは何と呼ばれるべきだろうか。フランス版カーマスートラを称するサイトの解説ではlevretteからの移行形として、l'union de l'éléphant(象の結合)というのもあるが、これもちょっと違う。(このサイトの解説では、それぞれの体位の欠点として、「女性の中にはこの体位によって貶められた感じるものがある」、「女性のほうに動きの自由がほとんどなく、パートナーに圧し潰されたように感じることがある」ということをあげているが、性的興奮(男女とも)において純粋な欠点かどうかは個々人で見解がわかれよう)。

中国のほうの古典、医心方(28巻、房内)をめくってみると、九法(9体位)の第2としてあげられている「虎歩」というのが一番近い:

marche de tigre
「第二を虎歩と曰う。女をして俯伏し、尻を仰(たか)くし首を伏せしむ。男、その尻に跪づき、その腹を抱く。乃ち玉茎を内れて、その中極を刺し、務めて深密ならしむ...」

「虎歩」というのは文字どおり、虎の歩くさまからきた命名なのだそうだ。犬、象、虎と人は動物に学ぶことばかりのようだ。

その夜R***からとどいた不謹慎なメッセージ :

そして思いがけずに後ろから犯されてしまいました...
これももちろんも好きです...


「医心方」という語に馴染みのない人のために一言。「医心方」は、隋、唐の典籍をもとに10世紀末丹波康頼が編纂した30巻からなる漢文による医学書で、そのうちの第28巻が、「房内」と題し、いわゆる「房中術」(性愛術+性医学)にあてられている。ここで参照した版は、馬屋原成男監修・飯田吉郎訓読・石原明解説『醫心方 宮内庁書陵部蔵本 巻廿八 房内』(東京:至文堂、1966)。引用は同書の読み下し文による。




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