Histoire d'O selon Oraclutie

Story of O BBS (jp) Archives 1
MSG 1 - 31 (08 Feb - 07 May, 2003)
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MSG: 1 on Thu 06 Feb 2003 07h49(JST) by Autel & R***   E-mail   Web Site
Subject: BBS開設

BBSを開設しました。とりあえずこの形で試運転を開始します。
サイトを見た感想、質問、関連情報などを書き込んでいってください。





MSG: 2 on Sat 08 Feb 2003 00h43(JST) by まり
Subject: 初めまして


外国文学リングから来ました。O嬢の物語は昔からのファンです。
ほんとうの作者についてはじめて知りました。こんなにいろいろ奥が深いとは思いませんでした。
今フランス語を勉強しているところです。フランス語の解説をしてあるところもがんばって読んでみます。また来ます。


Res to Msg:2 by Autel

記念すべき初書き込みありがとうございます。立ち上げたばかりで進行中の企画が多いですが、順々に増やしていくつもりです。『O嬢の物語』を読むのところは細かくねちねちとやっていますが、興味に応じて読み流してください。人によってこだわるところがいろいろ違いますから。質問や気づいたところなどがあれば書いてくださればありがたいです。また是非いらしてください。




MSG: 3 on Sun 09 Feb 2003 08h57(JST) by claudine   E-mail   Web Site
Subject: きました

「ふれんち・えろちか」の管理人です。
Histoire d'Oの精緻な読みには感心しました(全部は目を通していませんが)。
わたしのサイトの訳文は、娯楽を旨としていますので、そんな精査にはとうてい耐えられません(萎縮)。

ところでfree.frをご利用されているということはフランスにお住いなのでしょうか?フランスの電話回線を通してしかfree.frは利用できないはずですが...。

また遊びにきます。




Res to Msg: 3 on Sun 9 Feb 2003 11h05(CET)by Autel

Claudine(@ふれんちえろちか)さん。
さっそく遊びに来ていただいてありがとうございます。ふれんちえろちかのこなれた新訳の数々に萎縮しているのはこちらのほうです。『O嬢の物語』は、読んでいる歴史が長くこだわりがあるるので、既訳のフィルタを通して知られるだけでではおしいという気持ちでなにやらねちねちとやっています。「〜を読む」の「はじめに」のほうで書きましたが、訳は批判するはたやすいが、自分の責任で引き受けるとなるとまた別というのはわかってやっているつもりです。実は私たちも、メインサイトのBDSM Erotic or BDSM Literature Linksのほうで触れた、エロチック作品投稿サイト Revebebe から佳作を選んで翻訳したいとも思っているのですが、今のところはなかなか手がまわりません。『O嬢の物語』のほうはどうも堅くなりすぎましたが、メインサイトのOraclutieのほうはもう少し自由にやっていますので、こちらもよろしくお願いします。最初のなりゆきで、何語のサイトかわけがわからなくなって収拾がつかなくなってきていますが...

おっしゃるとおりフランスに居住しています。ISPとしてのfree.frは独自のアクセス回線の提供のほかにWebスペースのサービスなどはなかなか便利です。



MSG: 4 on Sat 22 Feb 2003 01h57(JST) by やじうま
Subject: 千草版

はじめまして、www.storyofo.co.ukからたどってきました。『O嬢の物語』の邦訳版の項で
書かれていた千草忠夫氏の翻訳ですが、九十九十郎の名前で訳されたものです。
手元の資料では1973−10から1975−5月までSMキングに連載されてました。
一部は雑誌の形で足りなかった部分は千草忠夫選集の1に収録されています。
重要な点はこれは翻訳ではなくあくまで下敷きにした、小説です。かなり勝手にSM雑誌向けに
書き帰られてます。雑誌の版の序文にそう言う依頼で仕事がきたことが書かれてました。
ただ雑誌が何回かの発禁処分のあと倒産したので未完です。何かの参考になれば。
もともと映画版から先に見たので。
おもしろいのは映画版のほうでUK-US版と、フランス−日本語版が同じだったことです。
映画版に興味があればまたかきます。



Res to Msg: 4 on Sat 22 Feb 2003 15h05(CET) by Autel

やじうまさん。
千草版に関する貴重な情報ありがとうございます。かなり恣意的な翻訳という評をどこかで読んだことがあったのですが、翻案となると話がまた別です。納得しました。適切なビブリオグラフィーのコーナーを設けて英語版でも情報を掲載したいと思います。それにしても1973年という日付けはちょっと意外でした。映画で第2のブームになる前に手掛けていたとは。千草氏の『嬲獣』、『闇への供物』、『美肉の冥府』などの長篇は連載中に楽しく読み、単行本も揃えていたのですが、引っ越しの際に手放してしまい惜しいことをしたと思っています。情緒と力強さを兼ね備えたあの筆力にかかった翻案がどんなものになっているかはなはだ興味があり、いつか見つけて読んでみたいと思っています。

映画版のほうもページをアップする予定はたてているのですが、まだなかなか手がまわりません。各国版に関する話しには大いに興味あります。よろしければ是非また書き込みをよろしくお願いします。



MSG: 5 on Tue 04 Mar 2003 23h40(JST) by Jun   E-mail
Subject: O嬢の物語を読んでいます

とても詳しい読解で驚きました。今あらためて解説と比べながら小説を読み直しているところです。ステファン卿の出て来るところからが好きなので解説の続きを楽しみにしています。


Res to Msg: 5 on Thu 06 Mar 2003 13h32(CET) by R***   E-mail   Web Site
Subject: merci

Junさん、ご記帳ありがとうございます。
Autel様が昨日から倒れているので、詳しいレスは書けませんが、ステファン卿まで行き着くのは、一体いつになるのでしょう(笑)。 Heaven knows.....
末永くおつきあいくださいね。



MSG: 6 on Tue 01 Apr 2003 17h46(JST) by 松島弘     E-mail   Web Site
Subject: 上海異人娼館

「戦争について考える」からたどりつきました。松島と申します。
異端な映画化ではありますが、寺山修司の「上海異人娼館」は
評価なさってますか?
(ステファン卿がO嬢を上海の娼館に売ったら、という設定の映画です)

MSG: 7 on Wed 02 Apr 2003 00h45(CET) by Autel
Subject: re 上海異人娼館

松島さん、書き込みありがとうございます。
実をいうと『上海異人娼館 Fruits of Passion』はAutel,R***ともども未見です。
封切時のポスターは覚えていて、リアルタイムで見る機会も本来ならあったはずなのに、見逃したまま今にいたってしまいました。原作から入った者の常、かつては、映画化作品をなんとなく軽視していたのが災いしているようです。こんなサイトを作ってしまった上は、DVDで手に入れてでも見なければと二人でしばらく前から話し合っていたところです。映像化作品のページも充実させたいと思っており、そのときにはもちろんこの作品についてのページを作る予定はしています。それまでにも、何か、この作品についてのコメント、情報を寄せていただければ大歓迎です。
出演者リストを見ていて、Klaus Kinskyもさることながら、デビューしたての Arielle Dombasle がこの作品の中でどんな風だったか気になります。




MSG: 8 on Wed 02 Apr 2003 01h28(CET) by Autel
Subject: もう一つの掲示板

この Story of O BBS では、『O嬢の物語』に主題をしぼっていますが、OraclutieメインサイトのBBSではもっと雑多な話題を扱っています。時節がらOn Warへの参加にゆるやかに関係する話題も。エロティシズム、BDSMという主題からそれないようにしつつ。




MSG: 9 on Wed 02 Apr 2003 13h18(JST) by 松島弘     E-mail   Web Site
Subject: 恐縮です

『上海異人娼館』につきましてお返事いただきまして恐縮です。
私は20年も前に『O嬢の物語』の文庫を読み始めて、
途中で投げ出していた者なので、ちゃんとした『O嬢の物語』愛読者の
中で、『上海異人娼館』はどう見られているか、知りたかったのです。
このサイトを見つけた記念に『O嬢の物語』をちゃんと読もうと思いました。
さて、寺山映画『上海異人娼館』は問題作としか言いようのない作品です。
『O嬢の物語』を下敷きにした作品としても・・、寺山作品としても・・、
単に実験映画としても・・、いずれの場合にも問題作です。それもあまり良い
意味での問題作ではなく、迷作、のたぐいに入ると思います。
寺山修司の生涯を見渡すと、『O嬢の物語』に興味をもつのは「なるほど」
という部分があり、それをもとに自分の世界にひきずりこみたい、という
欲望はいかにも彼らしい。しかし、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」を
下敷きにしながら、ほとんど別作品「さらば箱舟」を生み出した寺山の切れ味は
『上海異人娼館』には残念ながらありません。
私は『O嬢の物語』を読んでないので、内容参照的に『上海異人娼館』を
語れません。おそらく原作のパワーが大きすぎて、寺山風アジア猥雑感に
ひっぱれなかったのでしょう。
しかしクラウス・キンスキーの「醜い魅力」は評価できます。
Oの前でクラウス・キンスキーが見せつけるようにまぐわう女性の役として
アリエル・ドンバールが登場します。しかし、単に「ちょっといい女」という
感じでしかなく、やや存在感が弱いです。
Oを演じるイザベル・イリエも、たおやかで、これも存在感がうすい感じなのですが、
作品全体の中で、逆にそのほうが生きてるのが、不思議なところ。
映画全体として、一番いただけないのは、寺山作品の常連のJAシーザーが
音楽を担当したところ。寺山演劇本領発揮の世界では、JAシーザーの
「しめった」質感の楽曲は生きるのですが、この映画には「感傷的なBGM」に
なってしまってます。映画『O嬢の物語』のテーマ曲が好きだっただけに
がっかりしました。(ちなみに映画『O嬢の物語』も観ていないのです)
とりとめなく書いてしまいましたが、ちゃんと『O嬢の物語』を読んでから
また『上海異人娼館』を語りたいと思います。


MSG: 10 on Thu 03 Apr 2003 03h39(CET) by Autel
Subject: Res to MSG 9

さっそく詳しいお返事ありがとうございます。
原作のフィルターを通さずに映画作品を独立した作品として判断できる条件でのご意見は貴重だと思います。ますます『上海異人娼館』興味が沸いてきました。

副題に"The Story of O Continued"というのがついていますが、映画の中に、原作の続編とみなされている、あとから出版された最終章「ロワッシーへの帰還」の要素も含まれているのかどうか気になるところです。

原作をお読みになってまた何か発見がありましたら是非ご教示願います。




MSG: 11 on Thu 03 Apr 2003 22h31(CET) by Autel
Subject: ジャクリーヌ・ビセット、シドニー・ローム、シャーロット・ランプリングのO?

2000年にTaschenから出たクレパックスの『ジュスティーヌ』『O嬢の物語』合本版の序文(by Paolo Caneppele & Günter Krenn)をめくっていたら、ジュスト・ジャカンの75年の映画版の配役について、O役が最終的にコリンヌ・クレーリーに決まる前に、ジャクリーヌ・ビセット、シドニー・ローム、シャーロット・ランプリングそれぞれに話がいったが断られたというような記述があった。この種の話の真偽のほどは簡単には確かめようもないが。

個人的には映画版はコリンヌ・クレーリーで不満はないのだが、この3人のだれかが引き受けていたときのことを想像すると楽しいというか、実現しなかったそのそれぞれのケースのすごさにうなってしまった。





MSG: 12 on Fri 25 Apr 2003 02h10(JST) by やじうま
Subject: 映画版

当時メジャーな女優が断った件は当時の日本の映画雑誌にも書かれていて、比較的有名な
話ではないかと思われます。私には理解できないので聞いてませんがアメリカ版には
監督のコメンタリーが入っていますし、イギリス版には監督へのインタビューが入ってます。
日本で現状販売されている(結構ロングセラーなんだそうですが)ヘア解禁版と言われている
ものはぼかしも入ってますが、フランス版に日本語を焼きつけたいまいちの画質のLDをDVD
(ここのメーかはいつもそう)焼きつけた代物です。字幕が消えません。
英語の吹き替えのついたものはロワシーから帰った後の部屋を見て回る部分と、全裸で洋服を
選ぶ部分がなく英語版の音声もないようです。また英語版のマスタにはノイズリダクション
などのレストア処理がないので結構画面は汚いです、少々技術的かもしれませんが画像の動き
を見るとビットレートも結構低いので激しい動きに画面が処理し切れてない部分があります。
一番きれいにできてるのがフランス版のDVD、このマスターを使ってアメリカ版(NTSC)
が作られてますが、英語版とフランス語版を1枚のDVDに入れるためやはりビットレートが
落ちていて、荒いところがありますね。実際スチールだけなのかシーンとしてとったのか
見て見たいシーンが当時のスクリーン別冊の”O嬢の物語”魅力特集号にあります。
まるまる1冊映画版の紹介本でほぼスチールで構成されてます。この中のスチールの何点かは
映画に出てきません。こう言ったシーンは予告編にもあるのでですがディレクターカットは出な
いでしょう。この本の中で映倫で20箇所、大ぼかしカットしないとまずいところが2箇所
カットするよりしかたがないところが2箇所と書いてるんですがどこのことだったのか知りたい
とこです。実際日本での上映時間は110分でもっとも長いと思われるフランス版と同じです。






MSG: 13 on Fri 25 Apr 2003 22h46(CET) by Autel
Subject: re 映画版

やじうまさん、またまた貴重な情報ありがとうございます。
映画版の世界もやはり奥が深いと改めて認識を新たにしました。勉強になります。

スクリーンの別冊、今では埋もれてしまった情報がさぞかし満載されていることでしょうね。私たたちにも今となっては垂涎の的です。Stefan 氏の storyofo.co.uk にある未公開シーンの画像とやらはいったい何だろうと思っていたのですが、なるほどそうしたソースからのものだったのですね。

ジャカンの映画のソースは私どもの手元には日本語版のLDとフランス語版のDVD(昔の娼家の歴史とピガールのエロチズム美術館の紹介がおまけについているやつ)しかないのですが、英語版もまた微妙に違うとは思いもよりませんでした。あまりこの世界に詳しくないもので)。

その件で質問なのですが、同じ英語版のDVDでも、最初に言及された「英語の吹き替え」のついた版(カットシーンがありリストア処理がされてないもの)というのはUK版で、その後に触れられたフランス版のマスタをもとに作ったUS版と異なるという理解でよいのでしょうか。

それからこれは提案なのですが、MSG12のような内容を整理翻訳してやじうまさん寄稿のDVDテクニカル批評ということで英語版のページを作ってのせたいと思うのですがいかがでしょうか。この掲示板だけでとどめておくのはもったいない話ですし、storyofo.co.uk を補完するオリジナルな情報にもなります。英語版にもそろそろ何か新しい実質的な情報を更新していかなければ、励まして宣伝してくれたあちらさんや、あそこから来てくれる読者の方にも義理がたたないと思っていたところです。





MSG: 14 on Sun 27 Apr 2003 02h56(JST) by やじうま
Subject: 映画版

 書いた内容で著作権に触れるものはないと思いますので、私としてはかまいません。
 削除されたと思われるシーンは予告編(英語も吹き替えを変えて同じ物だと思います)
でみ見つけられます。50秒くらいのとこです。予告の中盤くらいにルネがOの鎖を
はずすシーンがあるのですがこれは現在販売されてるどの本編に入っているものを見たことが
ありません。あきらかにカットされたシーンでしょう。公開当時ハスラーに載っていたのは
この写真だったと思いますがさすがにこれはありません。思わず買おうとして売って
くれませんでした、当時中学だったんで。
 もう一点多分カットされたと思われるのは、ステファン卿の家で猿轡をかまされ打たれる
シーンがあるのですが、これを猿轡なしでノラに打たれているシーンが2枚あって、一点が
打たれて叫んでいるシーン、もう一点がステファンがノラをとめているシーンです。
ひあくてき的つづいたスチールなのでフィルムが存在する可能性があります。
スチルのみでアンヌマリーの館でイボンヌと思われる女性が上半身裸でバスタブに腰掛けてる
のもありますが、これは宣伝用のスチールと思われます。
US版には2回分のO嬢が入っているわけです。最初に英語、フランス語、スペイン語を
選ぶと英語版だと英語吹き替えのイギリス版と同じ物、フランス、スペインだとフランス語版
の音声が切り替わったものが(フランス全長版)再生されます。こっちに行くとフランス、
スペインの切り替えと監督と思われる人のコメンとがほぼ前編に入ってるらしいです。
フランス語はおろか英語もやっと読むくらいなので、ないように付いてはまったく隅から隅まで
さっぱり分かりません。良く、さっぱり分けの分からない映画のDVDはドイツ(多分映画もイ
タリアとドイツの合作)と書かれていた記憶があるのでもしかするとドイツ版とかあってそれに
載ってるかも知れません。その代わり著作権は大丈夫かといわれる代物があるようです。
聞いた話ですが東映でも出したことのない時代劇のSMポルノがあったとか。日本で販売された
LD版と各国で販売された、バージョンの違う版の抜けてるシーンを保管しあって作った
3時間超えるジョージAロメロの”ゾンビ”などが出てるのでソンなモンのなかにはこんなの
もあるかも知れません。
日本で販売されたの最初のビデオと2回目以降が別物と言われた雑誌を見たことがありますが。
現在それと思われる物を含めテープで3本ほど持っていますがヘア解禁版までは同じそれ以降で
変わった部分はありません。この映画も日本では版権を最終的にはエマニュエル夫人などを
もっている東北新社が持ってるそうなので改めてDVDが出ることを期待しています。
現状販売されているDVDは白っぽい画像でLD色が薄くて見にくいし、US版はあかっぽ
すぎます(色をデジタルでいじりすぎるとこうなる典型です)イギリス版はにほんと同じで
色が薄めですかね。やっぱり本家の?フランス版がこれに関しては良くできてます。
メジャーな映画ではないぶんだけ大手の映画会社がマスターを作って各国の業者に配らないの
でメーカごと技術差が出やすいといったとこです。






MSG: 15 on Sat 26 Apr 2003 21h22(CET) by R***
Subject: re 映画版

やじうまさん、いつもありがとうございます。
私はレンタル・ヴィデオで初めてその映画の存在を知ったので、原作ファンとしては、
ステファン卿のイメージが違い過ぎるのと、あのエンディングに納得がいかなかったのですが、数年経ってもう1度観ると、あのエンディングも、映画的にはよくできているなあと思い直しました。
そしてDVDで初めて予告編を観て、確かに「あれっ?」と思った場面がありました。何か新鮮でした。
週末明けにAutel様と一緒に予告編をもう1度見つめなおしますね。
米国盤のDVDは最近パッケージが替わった気がしますが、内容はどうなのでしょうね。
スクリーンの特集号、見てみたいものです。。。




MSG: 16 on Mon 28 Apr 2003 01h13(JST) by やじうま
Subject: TV版

もしかして、DVDパッケージが変わったと言うのは、カナダのケーブルテレビが作った
バージョンのことでしょうか。ロワッシーからステファン卿の称を経てアンヌマリー
ぐらいからおかしくなって、最後のパーティーの前にナタリーOが鞭打たれるとこを見て
ジャクリーヌに連れられて逃げてしまう?トホホなできです。ロワシーの前のシーンも
かってに付け加えられルネとの出会いとかが描かれていたと記憶してます。日本では
テープ、LD(これは持ってます)が出てました、USでは5巻でDVDが出てます。
ロワッシーのセットがそちらでどう呼ばれているか知りませんが第2章(クレパックス版の
Vol3の映画化版)に近い雰囲気で変に前衛芝居がかっているのが目に付いていまいちで
した。原作には女性をオブジェのように一定のポーズで台に飾ったりと言うのはないと
思いますがどうでしょう。何でジャカン以後の作品がこう言った前衛的に走るのかちょっと
理解できません、第2章はテープやDVDが出ている割に評価されないのも当然かと思われ
ます。第2章は製作者がジャカンの時と同じなので期待したんですが。
ジャカン版のO嬢は結構手に入りにくく、DVDは今回が初だったと思います。
結構さがしたんで、当初引っかかったのは、東南アジアのサイトで自分のとこの評価で画質
良くないみたいなことを書いていたので購入をやめました。香港ではビデオCDが出ていた
そうですが、見たことはありません。韓国版も出てるそうですがこれもパス、字幕だけで
しょう。韓国版はスターウォーズ、レイダースなんかがLD版をそのまま焼いてDVD版が
出たりするのであまり評価してなかったのでパスしました。
DVDであれば世界のどの地域と方式でも見られるのでようにしてあるのでこの辺は便利です。
1976年日本公開なんですが、成人映画ではありません、名画座でまずいと思ったところが
愛のコリーダと二本立てにしてましたが、一段らくしてエマニュエル夫人成人版と二本立てとか
やってました。まったく映倫ってやつはの典型でしょう。スエケベ心満載の中高生が見てたわけ
です。たぶんこんな馬鹿なことがやってたのは日本だけだと思います。私が見たので一番笑った
組みにあわせはナバロンの嵐との二本立てでした。




MSG: 17 on Tue 29 Apr 2003 00h48(CET) by Autel
Subject: re 映画版

やじうまさん、映画版についてのたくさんの情報ありがとうございます。これをもとにページを作ってもかなり充実したものになると思います。私たちなりに少しづつまとめていきますのでよろしければどうぞおつきあいください。

- ジャカン版が76年の日本公開時に成人指定ではなかったという話をはっきり伺って、ここしばらく心にひっかかっていた疑問が解消しました。というのは私もそのとき18歳未満だったのですが、普通に友人達と見た記憶があり、クラスの女の子たちとも学校で感想を話し合っていたので、あれは、何らかの手段でチェックをかいくぐって見たのか、私の街の映画館だけの特殊現象だったのかと自問していたところです。それにしてもイギリスではずっと全面的に上映禁止で、1999年にはじめて成人指定で公開されたという話を読むと、国によるこの対応の違いに驚きます。

- 1986年の『O嬢の物語 第2章(Story of O Part 2 / Histoire d'O Chapitre 2)』は私も日本封切り時に、わざわざ見にいきましたが、原作とまったく関係ない筋書きで、がっかりしました。

- 女性たちをオブジェのように配置するシーンは原作では、アンヌマリーの家の庭に面した舞台の上で一日一人が選ばれてさらしものになるというのが、近い場面ですが、前衛美術のような感じは、たしかにクレッパックスのVol3の発想だと思います。

- 1994年の10時間ものの連作(Story of O : the series) は私はフランスの深夜TVで最初の2回ほどを見ただけで全部は見ていません(そのときのフランスの放送でも10回分はやらなかったように思います)。日本でも衛星でやったと聞きました。最初の2回見たところでは割りに原作に忠実にちんたらとやっているという感じでしたが...ネットで調べたところ制作はブラジル、発売は米のヴィデオ会社(BRI Video)というふうになっていますが、カナダのケーブルTVというのは分かりませんでした。

- R***が触れた「パッケージが変わった(変更になった)」DVDというのは、ジャカン版のことで、これのフランスのamazonで出ているのが以前のと最近のとでパッケージの写真(映画から、あるいは宣伝用のスチール)が違っているということです。そのうち写真をアップします。このDVD、購入してからちゃんと見ていなかったのですが(日本版のLDとどうせ同じだと思い)、今回やじうまさんにいろいろ指摘されて少し詳しく見てみました。長くなるのでそこで分かったことのまとめは、次のメッセージで。






MSG: 18 on Tue 29 Apr 2003 00h59(CET) by Autel
Subject: ジャカン版 (仏語版 VS 英語版)

やじうまさんに指摘されるまでジャカン版のDVDにそう何種類もあるとは知りませんでした。私たちが持っているのは、音声が、フランス語版、スペイン語版、英語版となっていて字幕(ディジタル的に挿入)が、フランス語、ポルトガル語、英語となっているものです。ボーナストラックに、前に書いたように、「フランスの娼家の歴史」と「ピガールのエロチズム美術館の紹介」の2つのドキュメントがついています。やじうまさんに指摘されるまで英語版とフランス語版が異なることを知らなかったので英語版をまともに見ていなかったのですが、今回確かめて次のことがわかりました。

- フランス語とスペイン語版は同一版で吹き替え音声のみ違う
- 英語版は上の仏・西版とは異なる版で、映像は相当に白っぽく劣化している。そして何より重要なのは、全体で約8分弱短い。またフランス語版は全体を18のチャプターにわけてそれぞれにインデックスをつけているが、英語版にはそれがない。

結局私たちが持っているのは、やじうまさんが「英語版とフランス語版を1枚のDVDに入れた」と指摘するUS版DVDに近いもので、ただしそのボーナストラックがジャカンのインタヴューでなくて別のドキュメントになっているものということになります。

- 「英語の吹き替えのついたものはロワシーから帰った後の部屋を見て回る部分と、全裸で洋服を選ぶ部分がない」というご指摘、私達も確認しました。ついでに、英語版では他にどこが削除されているか全面的にチェックしたところ、以下3個所だということがわかりました。

1. 上記の、Oがロワッシーから自宅に帰った直後のシーン。仏語版のインンデクシングでチャプター7の間。3分05秒分。
2. 仏版チャプター13中。「アンヌマリーの家の中庭で娘たちが話ているシーン」から「テレーズ(アンヌマリーお気に入りの娘)が、アンヌマリーとイヴォンヌの寝ていることに嫉妬して泣き叫ぶシーン」。1分40秒分。
3. 仏版チャプター17中。ブルターニュでOとジャクリーヌが散歩中、テレーズに出会い3人でお茶を飲むことになったが、Oとテレーズの仲のよさにジャクリーヌが嫉妬するシーン。そしてジャクリーヌがステファン卿にOの振る舞いが規則にかなっていないと告げ口するシーン。3分10秒分。

以上3箇所、私たちの実測で7分55秒分が英語版ではフランス語版に比べカットされています。2と3のカットによって英語版では、作品全体からほとんどテレーズの役割がとり除かれていることになります(もっともこのテレーズの存在は原作にありません。役割は全然違いますが、その少女っぽさは、原作でのナタリーを想像させるものがあるので、私は勝手にナタリーの不在を埋めるキャラクターと無意識に捉えていました)。

ネットで検索したところこの8分のカットはもともとの映画作成時の英語版にさかのぼり、ジャカン自身の承諾の上でなされてもののようです。ただしカットのしかたは、つなぎ目の不自然さがわかるほど荒っぽいものですね。カットの理由は私には今のところ不明です。そのあたりもDVD収録のインタヴューでジャカンが語っているのかも知れません。

とりあえず、まずここまで、お力添えで分かったこの整理です。予告編、スチールと本編の関係についてはまた改めて観察の上書きます。




MSG: 19 on Wed 30 Apr 2003 10h24(JST) by 外房生
Subject: 佐伯彰一 『評伝 三島由紀夫』  1978・新潮社、1988・中公文庫

こんにちは。おそらくは周知の話柄やも知れませんがこの本に以下のようなオリー女史を語る文章がありました(女史に言及している男の物書きとして仏文学関係者やフェミニズム周辺人や以外では植島氏のほかに佐伯氏をのみ知る見聞の狭さをオワライ下さい)。初出は1970年ですが三島の自決以前のものです。

……1967年春、アフリカのチュニスの国際文学賞[不明。あるいはユーロパリア賞か。結局三島は賞を逸す。割注外房生]の会議で、三島の『憂国』における性と暴力と儀式感覚との不思議な共存について、熱っぽく、しかしラテン的に澄明な雄弁をふるったフランスの女流批評家ドミニック・オルリー(彼女は、その際議長役をつとめていて、投票権がなく、発言さえさし控えるべき立場にありながら、イタリーの代表の、三島はあまりに正統的に古典主義的すぎ、優美でありすぎる、つまりわれわれヨーロッパ人の期待する通りの日本文学でありすぎるという批判に、もう黙っていられぬというように、いっとき議長の座をおりた形で発言を買って出たのだった。彼女の繊細にひきしまった白皙の美貌が、はげしくゆれ動き、次第に紅潮してくるのを脇から見上げていた時の情景は、テクニカラーの一こまのように、今なお鮮やかに残っている。その折のぼくは知らなかったことだが、このいかにも端正で古典的なフランス女といった感じのオルリー女史は、一方であの冷たくエロチックな問題小説『O嬢の物語』の匿名筆者に擬せられている由である)、……




MSG: 20 on Thu 01 May 2003 01h10(CET) by Autel
Subject: re 佐伯彰一 『評伝 三島由紀夫』  

外房生さん。書き込みありがとうございます。私のほうは、植島(啓司でいいんですよね)氏の文章はおろか日本の仏文関係者やフェミニズム論者の間でどんな議論が今なされているかにもほんとうにうとく、見聞はそれこそ針の穴くらいのものです。こういうサイトを作っているのは、それだからこそできる蛮勇のなせる技かもしれません。一応事実関係についてだけは最善の資料にあたるようにしようと思っているつもりなのですが...。

いかにも彼女の人となりを短い瞬間に凝縮してとらえた佐伯彰一氏の回想、この時期だけにいっそう感慨深く読みました。オリーを実際に描く文章というのは、フランス語のものでも数多いとはいえないので(NRFのオリー追悼特集にその多くは収められていますが)、なかなかに得難い証言だと思います。実際にどの会議だったのか、どういうコンテクストでオリーが議長を務めていたのか、ネットで検索してみましたが、情報は得られませんでした。このあたりの時期のNRFで何か分かるかも知れないので、あたってみます。

実は、彼女の翻訳になる三島を読んでいません。重訳というものに対する警戒心からかも知れません。彼女の訳を通して三島の文学的価値を知ったというフランス人の証言はまま目にするのですが、訳の本当の評価は原文と訳文の実地の比較をしてしか得られないということを私自身が肝に命じている以上、それなしで彼女の三島解釈について軽々しいことはいえません。三島の日本語、英訳、オリーの仏訳の比較は面白くもあると同時に、かなり神経を使いそうなので、なかなか思いきれません 。だれかその筋の専門家が手がけていないのでしょうか? ただいずれにしても、そろそろ、彼女の三島を虚心に読むべきかなとは思っていたので、これをきっかけに読む気が起こってきました。




MSG: 21 on Thu 01 May 2003 13h11(JST) by 外房生
Subject: 植島啓司氏

こんにちは。MSG:19での、植島氏のお名前はその通りです。省筆失礼致しました。植島氏は近著に『聖地の想像力―なぜ人は聖地をめざすのか』がある宗教学者なのですがエリアーデと同じく小説も書いており、何冊かの中編小説を出版しています。未読なのですが最近作『オデッサの誘惑』(1999年、集英社)は、聞くところによると映画「ラストタンゴ・イン・パリ」と『O嬢の物語』とに霊感を受けての作品だそうです。近々読むつもりでいます。(2003年5月1日)




MSG: 22 on Fri 02 May 2003 01h45(JST) by やじうま
Subject: 資料

 日本では、みんな未成年が見ていたわけですが。当時の思い出で期待してたのは2-3年あと
だったと思いますが、テレビ神奈川(TVK)などUHF局の連合が愛の何とか劇場とかいう
映画劇場を土曜9時か10時ぐらいからやろうとしてPTAなんぞにかみつかれ計画を断念
とかいう話しもありました。どうせ成人映画もほぼ罰則がないので大人料金を払えば
入り放題でした。
 スクリーンの別冊の資料ですが、3冊分あるのでスキャナ用に背がひどく痛んでいたため
ばらしたもので良ければ譲れますが、何か方法はありますか。US版に入ってる監督の
コメンタリもMP3などの変換でメール添付(ちと大きいですが)で送ることも可能かと
思われます。





MSG: 23 on Fri 02 May 2003 13h25(CET) by Autel
Subject: re 植島啓司氏 to 外房生さん

フェティッシュ趣味風の写真と華麗な注をちりばめて哲学的断片をはさみながらSM的なストーリーを展開する氏の『分裂病者のダンスパーティ』(リブロポート、1985。序文は澁澤龍彦)を読んだ記憶があるので、この方面にテーマを持っている人だとは思っていました。

書架の隅から掘り出した『分裂病者のダンスパーティ』を改めてみてみると、『O嬢の物語』に関する参照指示と、短い引用がありましたが、文学作品としての『O嬢の物語』に即したつっこんだ議論はなされていないのが残念です(誤解を避けるために言うと、もちろんそれはこの本の価値そのものとは関係のないこと。この本について論じる余裕が今はありません)。最近作で、『O嬢の物語』がどのような位置を占めているか、興味があります。お読みなったらよろしければ読後感などお願いします。

『分裂病者のダンスパーティ』、私のうとい領域の学術的注はさておき、次のような引用のくだりは印象に残りました(p.217)

ある雑誌のインタビューで、女優の秋吉久美子は『O嬢の物語』について次のように的確に述べている。−−「何度も読み返すくらいだから、O嬢のような境遇に陥りたいという気持ちはありますね、三日でいいから。自分で判断し、自分で生活するからストレスが出てくるわけでしょ。でもO嬢は奴隷状態におかれ、自分は考えたいのに、考えるとムチを打たれるということで、物事を考えるうちにはまりこむ泥沼からの逃げをつくってくれるのね」




MSG: 24 on Fri 02 May 2003 13h27(CET) by Autel   E-mail
Subject: re 資料 to やじうまさん

ありがたいお申し出、感謝します。
スクリーンの資料、こちらが日本外なので物理的な受け渡しが簡単ではないのですが、これについてメールのやりとりで話あうことはできるでしょうか。差し支えなければメールをいただければありがたく存じます。oraclutie@free.fr
また、スキャナーでとられているとのことでしたら、ファイルのやりとりで最も貴重な部分を受け取り、こちらで日本語と英語の解説をつけてアップするということができればとりあえずは手っ取り早いです。
コメンタリ、mp3化が実現可能ならとても嬉しいです。こちらのメールボックスはたしかファイルサイズに制限はなかったと思います。とりあえずインタヴューの内容が分かればいいのでサンプリングレートなどは最低でもかまいません。インタヴューの内容に基づいたページが作れればこのサイトの映画部門にが充実したスタートを切れます。





MSG: 25 on Sat 03 May 2003 04h30(JST) by やじうま
Subject: MPA

送っておきました。23分くらいの音声ファイルです。
MP3とほぼ同じですがMpegの動画の音声圧縮の方式で16Mくらいあります。
1-3時間で到着してないと経路のどっかではねられたかも知れません。
多分PC上のプレイヤーソフトならたいてい再生できるはずです。試してください。




MSG: 26 on Sat 03 May 2003 02h17(CET) by Autel
Subject: Re MPA to やじうまさん

せっかく送っていただいのにやはりはねられてしまったようです。
メールでは難しいようなので、アップローダーなど別の手だてを検討をしています。
お手数をかけて申し訳ありません。




MSG: 27 on Sun 04 May 2003 00h30(JST) by やじうま
Subject: 返送

今、どっかで引っかかってきたらしく。私もこの手のサーバーの管理をしてるんですが
こう言うメールが困ったチャンなのは良く知ってるんですが帰ってきました。
スキャナーは昔持ってたんですが、古くなり解像度も良くないので処分して現在手元に
ありません。こういったもんをとるために買ってたんですが、当時(4-5年前)の機材の
性能ではいまいちで結局使いませんでした。
          




MSG: 28 on Sun 04 May 2003 03h22(CET) by Autel   E-mail
Subject: re 返送 to やじうまさん

せっかくお手数をかけて長いものを送っていただいたのに残念な結果になりました。私のほうでもまだ決定的な策は見つかっていません(サイトにアップローダを組み込もうと思ったのですが、うまく働きません)。いずれにせよ、よろしければ一度通常のメッセージメールをいただけませんでしょうか? メールコンタクトのほうが都合のよい内容もあると思いますので。



MSG: 29 on Sun 04 May 2003 18h00(JST) by claudine   E-mail   Web Site
Subject: ブラッサンスの新URL

ようやくブラッサンス全集の新URLの連絡があり、リンクを張り直しました。

R***さん「寿司マヨ」についての書き込みありがとうございました。

酔ってタイプしていますのでここでやめときます。



MSG: 30 on Tue 06 May 2003 20h58(CET) by R***
Subject: 寿司マヨ

まさか「ふれんち えろちか」さんのサイトで「寿司マヨ」を語れるとは。。。
本当にマヨさんは我々M女性の憧れの君だったのです。今はお幸せそうなのでホッ。アマゾンで取り寄せたいのですが、ちょっと送料が高すぎるのです。。。

酔ったタイプもどんどんお願い致します♪(私も先程Autel様と一緒にワインを飲んだので酔っぱらい気味です)!
「艶笑小噺」の続きもとても楽しみです。




MSG: 31 on Wed 07 May 2003 01h57(CET) by Autel
Subject: re 佐伯彰一 『評伝 三島由紀夫』(to 外房生さん MSG 19)

引用していただいた、佐伯彰一氏の語るオリーについてのエピソード(MSG 19)について、場所・コンテクスト等を同定しようと思い、NRFに何か関係記事がないか見ていますが、まだ見つかっていません。

その代わりといっては何ですが、オリーの訳した三島由紀夫の作品についてのデータを。

オリー訳の三島(英語からの重訳)は、La mort en été (真夏の死)を代表タイトルとする一冊のアンソロジーにまとめられている。当然ガリマール社からで、初版は1983年。現在はペーパーバックシリーズ Folio に収録されている(No 1948)。

このアンソロジーに入っているのは次の 10 作品(9編の短編小説と戯曲1編)
  1. La mort en été 真夏の死
  2. Trois millions de yen 百万円煎餅
  3. Bouteilles thermos 魔法瓶
  4. Le prêtre du temple de Shiga et son amour 志賀寺上人の恋
  5. Les sept pons 橋づくし
  6. Patriotisme 憂國
  7. Dojoji 道成寺
  8. Onnagata 女方
  9. La perle 真珠
  10. Les langes 新聞紙

訳者ドミニク・オリーの名による但し書きで、英語からの重訳である旨次にように断ってある−−「三島由紀夫氏の特別の要望により、翻訳は英語版に基づいてなされている」。元になった英語版は、1966年にサン・フランシスコの出版社New Directionsから出された Death in Midsummer and other storiesであり、仏語版はその構成のすべてを−−排列順に至るまで−−踏襲している。英語版の翻訳者は、Edward G.Seidensticker (1,2,3)、Ivan Morris (4, 10)、Donald Keene (5,7,8)、Geoffrey W. Sargent (6,9)。

同じFoio シリーズで、上記作品から4編(道成寺、橋づくし、憂國、真珠)を選んで、Dojoji et autres nouvelles とした版も2001年に出版されている(2 Euros)。